テクノロジーの進歩によって、不可能が可能になる。時の流れにつれて、美の対象も変わってゆく。しかし、底にはいつまでも変わらない和の心がある。それらの力が、お互いを引き立てあいながら新しい美の創造につながることはきわめて珍しい。えてして、それぞれの力が足を引っ張りあいがちだ。そんななかで、小林鷹さんがライフワークとして撮り続けている「和花」は、最新の技術と、現代の視点と、不変の美意識が、見事に結実した希有な作品ではないでしょうか。
新しいのに懐かしいそのイメージは、現代を生きる私たちの「和」。世界に向かって私たちが誇れる「美」。ミラノやニューヨークでの活躍が長い小林鷹さんは、「外からは日本の良さがよく見える」と言います。他の文化にはない、他の時代にはない、今の日本だからこそ生まれた新しい美の結晶を集めて、「和花の四季」展として開催できることになりました。じっくりお楽しみいただければ幸いです。